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空想と妄想の狭間に

SHINeeを崇め、2pmを見て笑い、BTSに振り回され、GOT7に癒しを求め、EXOの遠い日々を切ない目で見ています

オメラスから歩み去る人々 を読みました

なんとなく関連ありそうな事項と、ちょっと調べた事を覚え書き程度に。特に考察はしません。この色の部分は個人の感想です。

地下室云々の話はあちこちで目にしますが、実際オメラスってどんなところよ!って気になるけど、たかが数ページの短編の為に本を買うのもなぁ…って方へ。

 

 

まず、著者の解説によると、"omelas" の名前は、道路標識のSalem (Oregon) : オレゴン州セイレム を逆に読んだものだそうな。

 

Wikipediaパイセンいわく

 

セイラム(Salem)は、「平和」を意味するセム語(アラビア語のsalam、ヘブライ語のshalom)から派生した名称である。

セイラム (オレゴン州) - Wikipedia

 

あれ、平和を反対から読んじゃったんだ……

 

それから、オメラスはツバメの飛ぶ湾沿いの都市で、それを山が囲む。だからオメラスを歩み去る者は、山々を目指す。

そういやあのMV、途中で唐突に山にいたよな…

 

そして、オメラスの夏には祝祭がある。

オメラスの人々の心の中には、魂の中にある最も善美なものと、この世界の夏の輝きとを共有した、度量の広い勝利感が満ち溢れている。

まあ要するに、オメラスの季節のイメージは夏。清潔でキラキラした雰囲気に溢れた場所らしい。草原とかもある。

 

そして、オメラスには自動車やヘリコプターはない。どうも、過度なテクノロジーはないらしい。
幸福の基盤は、なにが必要不可欠か、なにが必要不可欠でも有害でもないか、なにが有害か、それを正しく見きわめることにある。という考えのもとに、オメラスは構成されてるらしい。

ということで、必要不可欠で無害なもの、不必要でも有害でもないもの (洗濯機とか地下鉄とか)がオメラスにはあるそうな。

大量の衣服やファストフードの類は、有害なものに分類されるでしょうか…

 

そして、オメラスの駅は、この都でも屈指の美しい建物らしい。

 

とまあ、ここまではオメラスの綺麗な部分。

 

それで、公共建造物の地下室、もしくは邸宅の穴蔵に、1つの部屋がある。倉庫みたいな、タタキの床で、窓がない。

10歳程度の少年(でも6歳程度に見える)が幽閉されている。身体的特徴から察するに過度の栄養失調。そこから脳もいっちゃってる気がするし、状況的に目も退化してそう。長生きしなさそうだけど、新たな犠牲はどう選ぶんでしょうか。

 

人々は、鍵を開けて彼を見に来ることができるし、8〜12歳の間に、彼の存在を大人の口から説明される。大人になる前の通過儀礼的な感じなんだろうか…

彼を助け出そうと考える人は少なからずいるけれど、今までの堕落とトラウマを考えると、彼を綺麗にして食べ物与えたところで幸福な普通の生活を享受できる訳でもない事に思い至って、みんな諦める。難民に食うもん送ったって、それ食ってガキ産んで増えるだけだよねってのに、少し近い気がした。物質的な援助が本当の意味での助けにならない事ってよくあるよね。

 

それで、その子には、ひとことの優しい言葉さえかけてはいけない。

共同体を保つのに誰か犠牲を出すのはよくある話だけど、カーストとかヒエラルキーとかそういうのを数段に分けずに、1人とそれ以外の全員って2つに分割して、すべての犠牲を1人に押し付けるのが、この話の画期的かつ残酷なところだと思う。

でも、それが子供である点は、せめてもの優しさだと思う。犠牲にならない人生や、幸福追求の権利を知らないまま、生きて死ねる。下手に優しい言葉をかけて、救い出そうとする(そしてきっと失敗する)のが1番残酷だ。

 

そして、美しい門をくぐってオメラスから歩み去る人々は、誰もがひとり旅。だけど、行くべき場所がどこかは心得てるらしい。

you never walk alone という言葉とこの記述は、少し矛盾を感じる。

 

余談ですが "これからの「正義」の話をしよう" で、マイケル・サンデルがオメラスの話に少し触れていました。大多数の人が幸福だったとしても、それが1人の人権を侵害した上で成り立つのなら、それは間違っているし正義ではない。みたいなことを言っていた気がします。